不思議なボールペンフリクション

パイロットコーポレーションが販売するフリクションは、消えるという特徴があります。ただし正確には、一定の条件を満たすことでインクが透明化するというのが正しいようです。フリクションのインクは、60度の熱で透明化する性質を持っています。それを最高で65度の摩擦熱を発生させる専用の消しゴムでこすることによって、消えたようにみせることができます。

ちなみに消すのは専用のラバーでなくとも、60度以上の熱を発生させることができるのならどんな物でも代用できます。たとえばアイロンでもいいですし、ドライヤーでもかまいません。その場合は細かな部分だけ消すというわけにはいきませんが、一気に広範囲のインクを消去してしまいたい場合には有効です。そうした身近にあるアイテムでも消すことができるので、気になる方は試してみるといいでしょう。

フリクションはその他にも、経年劣化や紫外線を長時間浴びせることで徐々にインクが薄くなってしまうこともあります。これはインクに含まれる、発色剤や変色温度調整剤の作用により起こる物です。したがって長期間保管したい場合は、保管する場所にも気を付ける必要があります。それでも文字が薄くなってしまった場合は、冷やして復活させるということもできるので心配はいりません。

実はフリクションはマイナス20度以下の温度にさらされると、透明化した文字が戻るという作用があります。それを利用して読み取りができなくなった文字を復活させることができます。ただしこの方法を使うと、一度消した部分もすべて復活してしまうのでその点は注意が必要です。